「秀吉の枷 上中下巻」 加藤 廣著
年末に立ち寄った新宿東口に出来たばかりのBookOffにて、格安の歴史物文庫を沢山買い込んだので、当分歴史物の書物を読むことになります。
正月過ぎから読み始めた「秀吉の枷」ですが、タイトル通り豊臣秀吉を主人公に織田信長の家臣から天下取りになるまで、それから天下取りになってからなどの話を中心に描かれています。
どういう状況でどのような心理で行動をしていたかがわかり易く書かれていて、3巻と長いですが割と読みやすい内容です。農民から天下取りという日本のトップまで上り詰めた出世頭というイメージのある秀吉ですが、この作品では秀吉の武力だけでなく知恵と人脈をフル活用をして地位を築く点や後半は物凄い短期間での大出世からくる孤独や不信感など、秀吉とはどんな人物だったのかというのがイメージがわき易いです。また、秀吉の登場する他の小説は多く読みましたが(戦国時代物には必ずといっていいほどでてきますけどね)、秀吉自身が主人公で秀吉目線で書かれている作品は珍しく、後々そのことに気づきましたが新鮮さを感じます。
戦国物の小説は歴史好きでないと登場人物の多さや複雑な人間関係などでこんがらがるのですが(あと名前の読み方がわからないとか。。。)、この本は割りと丁寧に説明がされているので、歴史物にはまってない人にも良いかもしれません(まったく戦国史に興味無い、知らない人には厳しいですが)。
ちなみに私もここ数年歴史・戦国物を読み始めて、それまで日本史などほとんど無知。高校大学と米国にいたので歴史自体が中学生レベルなのです(漢字とかも)。そんな私が歴史物にはまった理由は、もうひとつの趣味のバイクです。読み始めのきっかけは知人からもらった歴史物の本なのですが、最初はちんぷんかんぷん。そりゃ、信長、秀吉、家康くらいは知ってはいましたが、各武将の生き方や、トップに上り詰めるまでの経緯、取り巻く数多くの人物などについてはまったくもって知識がありませんでした。ただ、バイクでツーリングに行く際にお城などを訪れることが多く、歴史を学べば学ぶほど、「おーここがあの真田家の上田城か!」とか「この春日山に上杉謙信、景勝、直江兼続が居たのか!」などなど、旅の楽しみが一段と膨むのがうれしかったですね。
おすすめ ★★★☆☆
Note: 年間50冊のカウント方法を決めてなかったです。とりあえず今回の様に上中下のような3部作は3冊と計算します。1作品/1冊とすると、このように巻が分かれているのが面倒くさいことになりそうなんで(戦国物って結構5~10巻くらいあるのもあるし。。。)
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